2026/07/17 18:00

「マグロは止まると死ぬ」
一度は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
テレビや漫画などでもよく語られる話ですが、本当にマグロは泳ぎ続けなければ生きていけないのでしょうか。
結論から言うと、
「完全には正しくないが、ほぼ正しい」
です。
実際のマグロは非常に特殊な体の仕組みを持っており、多くの魚とはまったく異なる生き方をしています。
今回はマグロが泳ぎ続ける理由について、水産のプロの視点から分かりやすく解説します。
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「マグロは世界でも有数の高速魚」
マグロは海の中でもトップクラスのスピードを持つ魚です。
種類によって異なりますが、
・クロマグロ
・ミナミマグロ
・キハダマグロ
などは時速50km以上で泳ぐこともあります。
広い海を移動しながら、
・イワシ
・サバ
・イカ
などを追いかけて生活しています。
つまりマグロは海のハンターなのです。
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「なぜ泳ぎ続ける必要があるのか」
最大の理由は呼吸です。
魚はエラで呼吸をしています。
一般的な魚は、
口を開閉して水を送り込み、
エラから酸素を取り込むことができます。
しかしマグロは違います。
マグロは高速で泳ぐことに特化した結果、
泳ぐことでエラに水を流し続ける仕組みを発達させました。
つまり、
泳ぐ
↓
水が口から入る
↓
エラを通る
↓
酸素を取り込む
という流れです。
これを「ラムジェット換水」と呼びます。
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「本当に止まると死ぬのか」
実は完全には止まりません。
近年の研究では、
マグロも状況によってはゆっくり泳いだり、短時間休むことが分かっています。
しかし、
一般的な魚のように岩陰でじっと休むことはできません。
長時間泳ぐことをやめると酸素不足になる可能性があります。
そのため、
「止まると死ぬ」
という表現が広まったのです。
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「マグロの体は泳ぐためだけに進化している」
マグロの体を見ると、
泳ぐための工夫がたくさんあります。
例えば、
・流線型の体
・細い尾柄
・大きな尾びれ
です。
これらは高速で泳ぐために進化した構造です。
まるで海のレーシングカーのような体をしています。
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「実は体温も高い」
多くの魚は変温動物です。
つまり水温によって体温が変わります。
しかしマグロは少し違います。
筋肉を動かし続けることで熱を発生させ、
周囲の海水より高い体温を維持できます。
これによって、
・寒い海域でも活動できる
・筋肉の性能を維持できる
というメリットがあります。
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「だから身が赤い」
前回の記事で紹介した赤身魚の特徴とも関係します。
マグロは常に泳ぎ続けるため、
筋肉に大量の酸素が必要です。
そのため、
ミオグロビンという酸素を蓄えるタンパク質が豊富に含まれています。
これがマグロの鮮やかな赤色の正体です。
つまり、
マグロの赤い身は
「泳ぎ続ける生活の証拠」
なのです。
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「長距離移動も得意」
クロマグロは驚くほど長距離を移動します。
例えば太平洋クロマグロは、
日本近海で生まれた後、
太平洋を横断して北米沿岸まで移動することがあります。
そして再び日本近海へ戻ってくる個体もいます。
人間で例えるなら、
毎年日本とアメリカを泳いで往復しているようなものです。
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「養殖マグロはどうしているのか」
養殖場のマグロも基本的には泳ぎ続けています。
大きな生け簀の中をぐるぐる回遊しながら生活しています。
養殖マグロを見ると、
常に同じ方向へ泳ぎ続けていることが分かります。
これもマグロの生理的な特徴によるものです。
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「まとめ」
マグロが泳ぎ続ける理由は、
呼吸をするためです。
高速で泳ぐことに特化した結果、
泳ぐことでエラに水を流す仕組みを発達させました。
そのため、
・高速遊泳
・高い運動能力
・赤身の筋肉
・長距離回遊
といった特徴を持っています。
私たちが美味しく食べているマグロは、
海の中で何千キロも泳ぎ続ける驚異的な魚なのです。
次にマグロの刺身を食べるときは、
その赤い身の中に秘められた壮大な生態を思い出してみてください。