2026/02/26 21:50


「やっぱり天然マグロの方が美味しいのでは?」

「養殖って妥協なんじゃないの?」


実は、現在多くの寿司店が あえて養殖マグロを選んでいます。


しかもそれは

コスト削減のためだけではありません。


この記事では、水産のプロの視点から

「なぜ寿司屋は養殖マグロを使うのか?」

その本当の理由を解説します。


■ 理由① 品質が“安定”している

寿司屋にとって最も重要なのは、

味と品質の安定性 です。


天然マグロは、

  • 漁場

  • 水温

  • 季節

  • 個体差


によって脂の乗りが大きく変わります。


一方、養殖マグロは

  • 餌が管理されている

  • 出荷時期をコントロールできる

  • 脂の入りが均一


つまり、

毎日同じクオリティを出せる。


これは寿司店にとって非常に大きなメリットです。


■ 理由② 色もちが良い

寿司は「味」だけでなく「見た目」も商品です。


養殖マグロは、

  • 血抜きが計画的に行われる

  • 神経締めされることが多い

  • K値の上昇が遅い


結果として、

赤色が長時間きれいに保たれる

という特徴があります。


天然マグロは個体差が大きく、

当たり外れがあるのが現実です。


■ 理由③ 歩留まりが良い

寿司店は一本のマグロから

どれだけ商品になる部分が取れるかを重視します。


養殖マグロは、

  • 体型が均一

  • 脂の入りが安定

  • トロの割合が高い


つまり、

ロスが少なく、計算が立つ。


天然は最高級品なら素晴らしいですが、

ブレが大きいのも事実です。


■ 理由④ 価格の安定

天然マグロは、

  • 天候

  • 漁獲量

  • 国際規制


の影響で価格が大きく変動します。


養殖は出荷計画が立てられるため、

価格が安定しやすい。


寿司店にとっては

「原価が読める」というのは非常に重要です。


■ 理由⑤ 脂の質が寿司向き

養殖マグロは

脂がきめ細かく、甘みが出やすい。


特に、

  • 大トロ

  • 中トロ


は、

養殖のほうが安定して美味しい

と評価する職人も多いです。


赤身の“野性味”は天然に軍配が上がる場合もありますが、

トロは養殖が強いという声は現場でよく聞きます。


■ それでも天然が選ばれる場面もある

もちろん、天然が劣るわけではありません。

  • 冬の寒マグロ

  • 大間クラスのトップ個体

  • 季節の限定ネタ


これらは別格です。


多くの寿司店は

天然と養殖を使い分けています。


■ 結論:養殖は“妥協”ではない

❌ 養殖=安いから使う


⭕ 養殖=安定・品質・経営合理性で選ぶ


現代の養殖技術は非常に高く、

  • 活け締め

  • 神経締め

  • 温度管理


が徹底されています。


その結果、

寿司屋が自信を持って使える魚になった。


それが今の養殖マグロです。


■ まとめ:プロは“用途”で魚を選ぶ

寿司屋が養殖マグロを使う理由は明確です。

  • 品質が安定

  • 色もちが良い

  • 歩留まりが良い

  • 価格が安定

  • トロが安定して美味しい


天然か養殖かではなく、

「その店が何を提供したいか」

で選ばれているのです。