2026/02/18 21:33

「魚は生臭いから苦手」

「新鮮なら臭くないはずなのに…」


こうした声はとても多いですが、

実は 魚の生臭さの原因は一つではありません。


この記事では、水産のプロの視点から

魚が生臭くなる“本当の理由”

なぜ新鮮でも臭うことがあるのか

を、専門知識がなくても分かるように解説します。


■ そもそも「魚の生臭さ」とは何の臭い?

魚の生臭さの正体は、主に 化学物質の臭い です。


代表的なのが次の2つ。

  • トリメチルアミン(TMA)

  • ヒポキサンチン


これらは

魚が死んだあと、体内で作られる物質

であり、生きている魚からはほとんど出ません。


つまり、

臭い=時間と処理の結果 なのです。


■ 原因① 血が残っていると臭くなる

魚の臭いの最大要因の一つが です。


血液には、

  • 鉄分

  • タンパク質

  • 雑菌の栄養源


が多く含まれており、

これが分解されると 強い生臭さ を発生させます。


● よくある誤解

  • 「新鮮だから血が残っていても大丈夫」 → ❌


血は鮮度に関係なく臭いの原因

そのため、プロは必ず血抜きを重視します。


■ 原因② 魚が暴れると臭くなる

魚は捕獲後に暴れると、

  • 乳酸が大量に発生

  • ATPが急激に消費

  • 身のpHが下がる


この状態になると、

身が早く劣化し、臭いが出やすくなります。


だからこそ重要なのが

活け締め です。


暴れさせず、素早く締めることで

生臭さの発生を大きく抑えられます。


■ 原因③ 温度管理が悪いと一気に臭う

魚は温度に非常に敏感です。

  • 0〜2℃ → 劣化が最も遅い

  • 5℃以上 → 雑菌が一気に増殖


特に、

  • 水揚げ後に冷やすのが遅れた

  • 家庭で冷蔵庫に放置した

  • 氷が溶けて温度が上がった


こうしたケースでは

一気に生臭さが出ます。


見た目が良くても、

温度管理が悪ければ臭いは防げません。


■ 原因④ 内臓を放置すると臭くなる

魚の内臓は

最も腐敗が早い部分 です。

  • 内臓を入れたまま保存

  • ワタの処理が遅れる


これだけで、

身全体に臭いが回ります。


内臓処理の速さ=臭わなさ

と言っても過言ではありません。


■ 原因⑤ 「新鮮でも臭う魚」は本当にある

実は、

魚種によって臭いやすさは違います。


例えば、

  • 青魚(サバ・イワシ)

  • 脂の多い魚


これらは、

  • 酸化しやすい

  • 血が多い


ため、

適切な処理をしないと新鮮でも臭う ことがあります。


逆に言えば、

処理が良ければ、青魚でも全く臭くありません。


■ 「魚が臭い=鮮度が悪い」は間違い

ここで重要な結論です。


❌ 魚が臭い → 鮮度が悪い


⭕ 魚が臭い → 処理・管理が悪い

  • 血抜き

  • 締め

  • 温度

  • 内臓処理


このどれかが欠けると、

高級魚でも臭くなります。


■ 家庭でできる「生臭さを防ぐコツ」

● 買うとき

  • 活け締め表示がある

  • ドリップが少ない

  • 血合いが黒ずんでいない


● 家で

  • すぐに内臓を取る

  • ペーパーで水分を拭く

  • 氷水ではなく「冷蔵+氷」で保存


これだけで、

生臭さは驚くほど減ります。


■ まとめ:魚の臭いは「扱い方」で決まる

魚の生臭さは、

避けられないものではありません。

  • 暴れ

  • 温度

  • 内臓

  • 酸化


これらを正しく管理すれば、

魚は本来 とてもクリーンで美味しい食材 です。


臭いの正体を知ることが、魚嫌いを減らす第一歩

と言えるでしょう。